MCI(軽度認知障害)とは?認知症前の早めの対策【医師監修】

MCI(軽度認知障害)は、認知症の予備軍です。早期の生活習慣改善や専門医への相談により、認知症への進行を遅らせる可能性があります。MCIの定義、認知症への移行率、予防策、医療的サポートについて詳しく解説します。
目次
はじめに
「最近、物忘れが増えてきた」「集中力が落ちてきたような気がする」——こうした変化が気になり始めると、「もしかして認知症かも?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
実は、日常生活は自立してこなせるものの、部分的に認知機能が低下している状態を専門的に「MCI(軽度認知障害)」と呼ぶことがあります。これは、正常な状態と認知症のあいだに位置づけられる、いわば「認知症の予備軍」のような段階です。
放置していると、将来的に認知症と診断されるリスクが高まる可能性があるとされます。一方で、早めに生活習慣の改善や医療サポートを受けることで、進行をゆるやかにできるとも言われています。大切なのは、「ちょっとおかしいかも?」と思った段階で行動を始めること。今回は、この「MCI」の段階でできる具体的な対策や、気になる進行のスピードについてご紹介します。
1. 軽度認知障害(MCI)の定義と特徴
日常生活は自立できるが、認知機能に変化がある
MCI(Mild Cognitive Impairment)は、専門家の間で「認知症予備軍の状態」と説明されることが多いです。 具体的には、物忘れや判断力の低下、集中力の持続が難しくなるなどの症状がみられる一方、日常生活そのものは自力でこなせるレベルです。そのため、ご本人も「加齢によるもの」と捉えてしまい、医療機関を受診せずに放置するケースも少なくありません。
放置すると認知症に移行しやすい
MCIはあくまで「認知症の予備軍」ですので、必ずしも全員が認知症に進行するわけではありません。ただし、研究データによると、数年以内に認知症と診断される割合が高まる傾向があるとも言われています。
つまり、MCIの段階で気づき、早めにケアを始めるほど、将来的に状態を穏やかに保つ可能性が高まると考えられます。
2. どのくらいの期間で進む? MCIから先のリスク
統計的には「毎年10%前後が進行する」との報告も
海外や国内の複数の研究では、1年間あたり数%~1割ほどの割合で認知症へ移行するというデータが示唆されています。5年、10年というスパンで見た場合、さらに大きな割合が認知症へ進むとの報告もありますが、個人差が非常に大きいのも特徴です。
必ず進むわけではない――戻る例も
MCIだからといって、誰しも短期間で認知症になるわけではありません。人によっては長期間変化が少ない方もいれば、生活習慣の改善などによって認知機能が持ち直す例もあると報告されています。
3. 不眠対策がカギ? 睡眠と認知機能の関係
なぜ睡眠が認知機能に影響するのか
睡眠中には脳の老廃物が排出されるとされ、深い睡眠が得られないと認知機能の低下が加速しやすい可能性があります。
実践しやすい対策
- 朝は光を取り入れる:朝起きたらカーテンを開け、自然光を浴びる。
- 夜は落ち着いた照明を心がける:寝る前にスマホやテレビを見続けるのは避ける。
- 昼寝は短めに:20~30分程度に抑える。
4. 生活全体の見直し:運動・食事・社会とのつながり
運動:血流を促し、脳を活性化
ウォーキングや軽いストレッチ、筋トレなど、1回15~30分程度の運動を週に数回続ける。
食事:バランスを意識
野菜や果物、魚などをバランスよく摂取し、脂質や糖分を控える。
社会交流:孤立を防ぐ
家族や友人との会話を増やし、趣味の集まりや地域のサークルに参加する。
5. 医療機関や治験を含む専門サポートの活用
早めの受診で原因をチェック
認知症外来や物忘れ外来でのスクリーニングテストや画像検査が有効。
治験を選択肢に入れる
最新の研究成果をいち早く取り入れる機会もあるが、未知のリスクも伴うため、十分な説明を受けることが大切。
6. まとめ:早めの行動が将来を左右する
MCI(軽度認知障害)は「認知症の予備軍の状態」とも言われていますが、生活習慣を整えることで進行を遅らせられる可能性もあります。「まだ大丈夫」と思わず、少しでも違和感を覚えたら早めの対策を始めることが重要です。

監修者
東京センタークリニック 院長 長嶋 浩貴
Hirotaka Nagashima
千葉大学医学部卒業後、東京女子医科大学循環器内科に入局。ハーバード大学医学部での研究経験を経て、東京女子医科大学で血管研究室長を歴任。その後、350以上の治験に携わり、2017年には日本初の分散型治験を実施。現在は東京センタークリニック院長として、認知症を含む多くの臨床研究に取り組む。
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